中央検査室
中央検査室では現在17名の臨床検査技師で業務を行っています。業務内容は患者様から採取された血液や尿などに含まれる様々な成分や細胞を分析しており、生化学・免疫学的検査、血液学的検査、一般検査、輸血検査、外来採血業務などがあります。
一元管理されたシステムの中で運用され緊急時の対応も常に万全な体制となっています。数多くの自動分析装置を駆使し、重要検査項目を測定する機器は二重化され、ダウン対策を講じて24時間いつでも検査ができる体制を維持しております。
精度管理に関しては、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会及び特定非営利活動法人日本臨床検査標準協議会から精度保証施設(第15-0248号)として認証を得ております。
①生化学・免疫検査
生化学検査とは、採血した血液(血清)や尿などに含まれるさまざまな成分を分析し、体に異常がないか調べる検査です。病気の診断や治療の判断、病状の経過観察に欠かせない検査です。自動分析装置は2台体制で24時間緊急対応を行っています。免疫検査は抗原抗体反応を利用して感染症の抗原・抗体や体内に微量に存在する腫瘍マーカーなどの測定を行っています。
Cobas800
②血液検査
血液検査では、主に血球計数測定、血液細胞分類、凝固機能検査を行っています。血液の中の赤血球、白血球、血小板の数を調べる血球算定検査、また必要に応じて血液を顕微鏡にて観察し異常細胞の検出や鑑別する血液細胞分類を行っています。貧血や白血球などの血液疾患の診断に欠かせない重要な検査です。また、凝固線溶検査では止血機構の異常を調べ、出血性疾患の鑑別や血栓の予防や治療での経口抗凝固薬のモニタリングを行うのに役立っています。
血液像
XN-3000
③輸血検査
輸血検査部門では、コンピューター管理システム(BTDX2)により輸血製剤の在庫管理や出庫を一括管理しており、全自動輸血検査システムVISIONを用いたABO血液型検査と不規則抗体スクリーニング、試験管法での交差適合試験を行っています。不規則抗体スクリーニング試験で陽性となった場合は、試験管法での同定検査を行い、患者様に輸血による副作用のリスクをより少なくする為に適切な血液製剤を選択することによって、より安全に患者様が輸血を受けられるように心がけています。
カラム法(O型RhD+)
④一般検査
一般検査では主に患者様の「尿」「便」などの主に血液以外の体液の検査を行っています。
尿検体では尿中成分を調べる「尿定性」や、顕微鏡を用いて尿中の細菌や細胞などの成分を検査する「尿沈査」などがあり、膀胱炎やネフローゼ症候群などの腎臓の病態を調べることができます。
便検体では、便中に血液が混じっていないか調べる「便潜血」があり、大腸癌のスクリーニングになります。
また尿や便の検査は侵襲性が低い検査な為、日常診療で最も一般的に行われる検査です。患者様の病気の診断や治療のために必要な情報を短時間で知ることができます。
尿沈渣像
尿沈渣像
⑤採血
当院の外来採血は検査技師が行っています。
採血コーナー