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対象疾患・症状

①虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)

循環器領域において胸痛や労作時の息苦しさは最も重要な症状で、多くが冠動脈の動脈硬化によるもので、狭心症や心筋梗塞として知られています。特に急性心筋梗塞には24時間体制で対応しています。心電図などから疑われた場合には、直ちに冠動脈造影検査を行い、冠動脈に病変が認められた場合は、引き続いてステント留置術などのカテーテルインターベンション(PCI)治療を行っています。労作時に胸痛が生じる労作性狭心症に対しても、積極的に冠動脈CTで評価し、冠動脈病変の正確な情報を得た上で適切な治療方針を考えます。冠動脈造影検査で50-75%程度の中等度病変である場合は、プレッシャーガイドワイヤーを用いて、冠血流予備能(FFR)を始めとする虚血評価を行って、PCIの適応を決定しています。その理由は、狭ければ広げるという単純アプローチでは、予後を改善せずよくならないからです。また、核医学検査(RI検査)も当院では実施可能であり、冠動脈から心筋への血液の供給が障害されていないかどうか、心筋の血流を直接見る画像検査であり、腎機能が悪い方にも実施可能な検査です。
当院では冠動脈造影検査をできるかぎり手首の橈骨動脈から行うことを基本としており、負担・侵襲を少なくしています。通常は検査当日に来院、検査終了の翌日に退院するという一泊二日入院を基本としています。救急時も含めて、カテーテル治療に対しては経験豊富で技量に優れた循環器内科医師が常時対応します。また検査に関わる看護師、臨床工学技士などメディカルスタッフも、カテーテル検査・治療に専門的なトレーニングを受けており、充実した治療を受けることができます。

②下肢閉塞性動脈硬化症

動脈硬化が起こるのは、足へ流れる動脈も例外ではありません。足の動脈硬化で問題となるのは、下肢閉塞性動脈硬化症(LEAD)と言われる病気です。
足の動脈に動脈硬化がある場合、心臓や脳の血管にも動脈硬化が合併しています。初期の症状は歩行時にふくらはぎが重く痛んできて、数分立ち止まって休むとまた歩けるという症状(間欠性跛行)です。この段階で早く発見して治療することが重要で、単なる筋肉痛として見過ごされている例も多く見られます。
この疾患が怖いのは、重症虚血肢といわれる、急に足先が黒くなり(壊疽)、細菌感染がおこってその傷が治らず、下肢切断にいたる病気が起こることです。糖尿病や透析を受ける方に多く発生することが知られています。当院では上肢下肢の血圧測定ABIや血管エコーを用いて、受診当日に診断できるようなシステムを構築しています。

③不整脈

不整脈とは、血液を送り出す心臓のリズムや、回数が一定でない状態を言います。心臓の上の方にある洞結節が興奮することで電気がうまれ、伝導路という電気の通り道を通って、心筋全体に伝わるという仕組みです。このときに、洞結節で電気がうまれなかったり、伝導路で電気がうまく伝わらなくなるなど、正常な洞結節からの興奮伝導が心筋にうまく伝わらない状態になると、心臓のリズム、回数が乱れます。これが、不整脈です。不整脈の症状として胸に痛みを感じたり、違和感を覚えるといった症状があり、脈が速くなる頻脈では、動悸、息苦しさ、めまい、失神などがおこり、脈が遅くなる徐脈では、息切れ、意識が遠のくなどの症状が表われます。特に失神、そこまでいかなくても、意識が遠のく症状が出たり、倒れそうになるなどの症状が現れると危険です。心臓が止まるほどの重大な不整脈が起こっている危険性があります。
不整脈の検査として、心臓電気生理学的検査(EPS)が行われます。電極カテーテルという数ミリ径の細い管を、足の付け根や首にある静脈から、心臓に向かって数本挿入します。このカテーテルの先端には金属製の小さなチップ(=電極)が付いており、これを心臓内壁に接触させると、心臓内の電気活動を詳細に得られる事が出来ます。不整脈診断においては非常に重要かつ有効な検査です。
不整脈の治療として、徐脈の方にはペースメーカによる治療があります。ペースメーカは電気の流れが遅れている心臓の電気系統の代わりに、外部から心筋に電気を伝えて、必要な心臓の収縮を発生させます。頻脈にはカテーテルアブレーションという手術があります。カテーテルと言う細い管を血管内にいれ、管の先端から高周波をながし、頻脈の原因となっている不整脈の回路にあたる心筋を焼いて、その回路を遮断、切断します。
当院ではこれまでの高周波カテーテルアブレーションに加えて、冷凍凝固(クライオバルーン)や、さらに2025年4月からはパルスフィールドアブレーションも導入しており可能です。パルスフィールドアブレーションは従来のアブレーション治療と比較して周辺臓器への影響がなく、食道関連合併症や神経障害など合併症が極めて稀と報告されています。今後も患者さんの個々の状態から適切な治療法を提案し、安全なカテーテルアブレーション治療を目指しています。徐脈性不整脈に対するペースメーカー、致死的不整脈に対する植込み型除細動器(ICD)、心不全に対する両心室ペースメーカー(CRT)を中心としたデバイス治療を行っています。また近年は、カテーテルを用いて心臓内に本体を送り込み、直接心臓に留置するリードレスペースメーカーならびに皮下植込み型除細動器(S-ICD)の手術も可能となりました。外来診療では遠隔モニタリングを積極的に導入し、きめ細かいフォローを目指しています。

④ 心臓弁膜症(大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症)

心臓の「弁」に障害が起きて、本来の役割を果たせなくなった状態を「心臓弁膜症」と言います。弁の開きが悪くなり血液が流れなくなる状態を「狭窄症」といい、弁の閉まりが悪くなり、逆流してしまう状態を「閉鎖不全症」と呼びます。
弁膜症の治療方法として、軽度の状態では内科的治療、病状が高度になれば外科手術が必要となります。
大動脈弁狭窄症は、心臓から血液が送り出される出口に付いている弁「大動脈弁」が硬化し、開きにくくなる病気です。重症になるまでは症状を自覚しにくい病気ですが、疲れやすさ、息切れといった症状から始まり、進行するにつれて、労作時の息苦しさ、胸の痛み・重苦しさなどが出現・悪化するようになります。さらに悪化すれば、安静時にも呼吸困難感を生じることもあるほか、失神、突然死に至ることもある、とても怖い病気です。重症大動脈弁狭窄症に対する治療法には、外科手術の他に心臓を開けずに、カテーテルという細い管を用いて人工弁を患者様の心臓に留置する治療方法(経カテーテル的大動脈弁植え込み術:TAVI)があります。
僧帽弁閉鎖不全症とは、僧帽弁が様々な原因によりしっかりと閉じなくなり血液が左心室から左心房に逆流するようになる病気です。程度が強くなると心臓から血液をうまく送り出せなくなるため、息切れや動悸、むくみといった心不全症状が出現するようになり、命に関わる危険性もあります。外科手術の他にカテーテルによる治療方法はMitraClip®(マイトラクリップ)と言われます。心臓内でクリップを開き、クリップで僧帽弁を掴んで引き合わせることにより僧帽弁がしっかりと閉じるようになり逆流を減らすことができます。
2018年4月より国内で保険適用となった治療法であり、すでに世界でも100,000例・本邦でも3,000例を超える治療が行われています。

⑤ 左心耳閉鎖術

心房細動に伴う血栓の多く(90%以上)は、左心房という部屋にある袋状の「左心耳」という部位に形成されます。この左心耳に血液が流入しないよう左心耳自体を閉鎖してしまう治療があります。これを「左心耳閉鎖術」と言います。左心耳閉鎖術は従来手術で行われており、その多くは、他の開胸手術を行う際に、合併手術として行われていました。これら外科手術よりさらに低侵襲な方法が、左心耳を閉鎖できる「閉鎖栓」をカテーテルという管を介して左心耳に持ち込み留置する「経皮的左心耳閉鎖術」です。これを行うことで、心房細動の患者様でも抗凝固療法を中止することが可能となり、出血合併症のリスクを下げることができるようになります。