令和2年度岸和田徳洲会病院病院指標

年齢階級別退院患者数
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
成人市中肺炎の重症度別患者数等
脳梗塞の患者数等
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）

年齢区分	0～	10～	20～	30～	40～	50～	60～	70～	80～	90～
患者数	166	135	137	187	519	913	1339	2860	2288	538

2020年度に退院された患者さんの人数を10歳刻みで集計しています。
平均年齢は69歳、中央値は74歳です。
全体における患者さんの割合は、60歳未満の方が22.6％、60歳以上の方が77.4％です
全体の31.1％は80歳を超える患者様となっております。
救急告示病院（三次救急医療機関）の施設認定を受けており、幅広い年齢層において幅広い疾患に対応しておりますが、
DPC請求の37.7％を循環器系疾患と消化器系疾患で占めています。

診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード

消化器内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢	患者用パス
060340xx03x00x	胆管（肝内外）結石、胆管炎	178	6.43	9.53	1.69	74.25	胆管（肝内外）結石、胆管炎
060020xx04xxxx	胃の悪性腫瘍	169	6.8	8.11	1.18	74.32	胃の悪性腫瘍
060140xx97x0xx	胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄（穿孔を伴わないもの）	70	6.43	10.83	2.86	71.91	胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄（穿孔を伴わないもの）
060102xx99xxxx	穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患	66	6.36	7.74	3.03	67.17
060035xx03xxxx	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍	63	6.71	6.85	0	68.86	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍

消化器内科では総胆管結石、胆嚢炎、胆道狭窄、胆膵腫瘍などの胆膵疾患や食道・胃・十二指腸・大腸の腫瘍などの検査・治療を行っています。
特に消化管の治療においては内視鏡で腫瘍の粘膜下層に生理食塩水などを注入し、特殊な電気メスを用いて腫瘍を切除する内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD)を多く行っています。胃潰瘍など消化管出血の救急患者も多く24時間緊急内視鏡やERCPを行う体制を整備し、救急搬送患者や重症患者に対応しています。

内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
110310xx99xxxx	腎臓又は尿路の感染症	19	13.16	13.00	10.53	71.68
0400800499x01x	肺炎等（市中肺炎以外かつ75歳以上）	-	-	21.75	-	-
050130xx9900xx	心不全	-	-	17.23	-	-
180010x0xxx0xx	敗血症（1歳以上）	-	-	19.20	-	-
0400801499x012	肺炎等（市中肺炎かつ75歳以上）	-	-	18.48	-	-

内科の症例の大半は感染症であり、高齢者で多い。
培養検査の精度が高く、感染症の中でも重篤な敗血症をいちはやく診断し、全国平均在院日数以内での退院となっている。

循環器内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
050050xx0200xx	狭心症、慢性虚血性心疾患	174	2.63	4.44	0	70.74
050170xx03000x	閉塞性動脈疾患	158	2.4	5.43	0.63	73.78
050170xx03001x	閉塞性動脈疾患	112	6.05	10.03	3.57	75.36
050030xx97000x	急性心筋梗塞（続発性合併症を含む。）、再発性心筋梗塞	104	8.43	12.09	4.81	71.1
050050xx9910xx	狭心症、慢性虚血性心疾患	88	2.33	3.07	0	70.57

当科ではもともと全身の動脈硬化性病変を評価・治療していく体制を充実させてきました。
このため、今年度は　冠動脈の動脈硬化による狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患と下肢閉塞性動脈硬化症(PAD)での、入院加療患者が多くなっています。
当院では24時間体制で、急性心筋梗塞や不安定狭心症といった緊急の診断・治療を要する急性冠症候群に対応しています。
安定狭心症に対しては、冠動脈CT・運動負荷心電図・心筋負荷シンチ、またFFRによる虚血の確認をおこないカテーテル治療による血行再建適応を判断しています。
下肢閉塞性動脈硬化症には、歩行時にふくらはぎが重く痛んできて、数分立ち止まって休むとまた歩けるという症状（間歇性跛行）のものから、安静時の痛み・難治性潰瘍・壊疽という重症虚血肢まであります。　細菌感染が合併すると下肢切断まで必要になるため、　薬物療法・運動療法・血管内治療（EVT)・高圧酸素療法に加えて、皮膚科・整形外科・形成外科医・看護師・薬剤師・リハビリなど多職種協働フットケアチームを作り、　救肢に向けた集学的治療をおこなっています。　

泌尿器科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢	患者用パス
110070xx03x0xx	膀胱腫瘍	79	8.33	7.13	0	73.7	膀胱腫瘍
110080xx01xxxx	前立腺の悪性腫瘍	50	12.86	11.89	0	70.98	前立腺の悪性腫瘍
110080xx991xxx	前立腺の悪性腫瘍	43	2.42	2.54	0	71.7	前立腺の悪性腫瘍
180010x0xxx0xx	敗血症（1歳以上）	18	22.78	19.20	5.56	72.61
110060xx99x20x	腎盂・尿管の悪性腫瘍	12	12.42	10.12	0	72.17

膀胱癌、前立腺癌での手術入院や尿路感染症での入院が増えている

小児科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢	患者用パス
180030xxxxxx0x	その他の感染症（真菌を除く。）	23	5.48	10.76	0	2.09
0400801199x00x	肺炎等（1歳以上15歳未満）	17	4.71	5.85	5.88	3.18	肺炎等（1歳以上15歳未満）
040100xxxxx00x	喘息	17	5.29	6.46	0	2.47
060380xxxxx00x	ウイルス性腸炎	10	3.8	5.86	0	7.3
040090xxxxxx0x	急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症（その他）	-	-	6.47	-	-	急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症

治療内容
感染性肺炎・急性気管支炎・急性細気管支炎
肺炎と気管支炎では原因微生物に対する抗生剤治療が主体となります。学童期以上になると非定型肺炎の頻度が上昇するため原因が確定するまでは細菌性肺炎と非定型肺炎の両方を想定して治療しています。
呼吸障害を認めれば、気管支拡張薬、去痰薬および酸素を使用します。
急性細気管支炎は２歳未満で呼吸障害を認めており、輸液、気管支拡張薬の吸入、酸素投与で治療をします。

気管支喘息
呼吸障害の解除を目的とします。
気管支拡張薬の頻回吸入、ステロイド（mPSLもしくはPSL)の全身投与、呼吸理学療法を主体として治療しています。点滴は可能な限り早急に中止し体動による排痰促進を目指します。
発作頻度の多い患者もしくは重症発作を認めた患者は長期管理薬を導入しています。

その他の感染症
基本は抗生剤を使用した治療です。症状の改善を認めれば経口治療に切り替えます。

ウイルス性腸炎
脱水に対する補液を行い、経口摂取や飲水が可能となるまで支持療法を行います。

外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢	患者用パス
060160x001xxxx	鼠径ヘルニア（15歳以上）	89	2.15	4.86	1.12	67.98
060035xx010x0x	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍	84	17.29	16.19	2.38	67.83	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍
060035xx97x0xx	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍	63	4.37	14.09	1.59	60.14	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍
050180xx02xxxx	静脈・リンパ管疾患	62	1	2.74	0	69.66	静脈・リンパ管疾患
060150xx03xxxx	虫垂炎	58	4.52	5.44	0	39	虫垂炎

外科では消化器外科、呼吸器外科及び乳腺外科を診療しています。
結腸直腸の悪性腫瘍ではほとんどが侵襲の少ない腹腔鏡下手術を行なっています。
さらに胃の悪性腫瘍でも腹腔鏡下手術が増えています。
急性腹症として来院することの多い虫垂炎、胆嚢炎も緊急に診断、治療が出来るようにしています。
これらもほとんどが腹腔鏡下手術で行われています。

心臓血管外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢	患者用パス
050163xx03x1xx	非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤	79	17.1	15.88	5.06	78.29	非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤.pdf
050161xx97x1xx	解離性大動脈瘤	46	30.04	29.23	30.43	69.2
050050xx0101xx	狭心症、慢性虚血性心疾患	38	22.13	22.22	10.53	70.08
050163xx01x1xx	非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤	33	31.88	28.61	18.18	69.88
050080xx0101xx	弁膜症（連合弁膜症を含む。）	31	22.52	22.56	9.68	70.71

①小切開心臓手術（僧帽弁・大動脈弁）、MIＣＳ手術に積極的に取り組み手術数も増加しています。
②大動脈瘤に対する低侵襲手術、ステントグラフトの増加。

整形外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢	患者用パス
160800xx01xxxx	股関節・大腿近位の骨折	125	23.52	25.09	59.2	81.01	股関節・大腿近位の骨折
160760xx97xx0x	前腕の骨折	75	3.15	5.18	0	56.85	前腕の骨折
160780xx97xx0x	手関節周辺の骨折・脱臼	29	2.59	4.35	0	49.86
07040xxx01xxxx	股関節骨頭壊死、股関節症（変形性を含む。）	28	21	21.03	28.57	71.93	股関節骨頭壊死、股関節症（変形性を含む）
070230xx01xxxx	膝関節症（変形性を含む。）	26	25	23.36	11.54	77.08

大腿骨近位部骨折に対しては、骨折型、年齢、リスク等を総合的に判断して治療方針を決定しています。
また地域連携クリニカルパスを導入し、術後の早期回復や廃用予防にも努めるとともに救急指定病院である当院での在院日数短縮に努めています。
前腕骨折では高齢者の橈骨遠位端骨折が多く、転位の大きな症例については機能障害を最小にする観点から積極的にLockingPlateを使用した骨接合術を行っています。
膝関節症、股関節症に関しても保存的治療で効果が乏しい場合にはリスクを評価した上で人工関節置換術を行っております。

形成外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
180060xx97xxxx	その他の新生物	27	1	6.27	0	57.26
070010xx970xxx	骨軟部の良性腫瘍（脊椎脊髄を除く。）	12	1.42	4.76	0	50
160200xx0200xx	顔面損傷（口腔、咽頭損傷を含む。）	10	3.8	5.28	0	23.3
020230xx97x0xx	眼瞼下垂	-	-	3.07	-	-
070010xx010xxx	骨軟部の良性腫瘍（脊椎脊髄を除く。）	-	-	5.39	-	-

当科ではリンパ節腫瘍や、皮膚腫瘍の治療が多くを占めています。
切除による手術での治療となりますが日帰り手術が可能で、平均在院日数も少なくなっています。
続いて鼻骨骨折などの顔面損傷や眼瞼下垂などが多くなっております。

脳神経外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢	患者用パス
010060x2990401	脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）	59	12.68	15.64	28.81	72.19	脳血管障害
010030xx9910xx	未破裂脳動脈瘤	52	2.23	3.04	0	57.98	未破裂脳動脈瘤
010070xx9910xx	脳血管障害	41	2.02	3.29	2.44	70.15	脳血管障害
010040x099000x	非外傷性頭蓋内血腫（非外傷性硬膜下血腫以外）（JCS10未満）	35	15.46	18.86	51.43	66	非外傷性頭蓋内血腫（非外傷性硬膜下血腫以外）（JCS10未満）
010070xx02x0xx	脳血管障害	32	7.41	9.33	0	72

当施設は循環器系疾患（循環器内科、心臓血管外科）の診療体制が整った施設であるため、脳神経外科も必然的に脳血管障害の患者が多く、循環器系の科とは全身のアテローム性血栓症に関して連携を取りながら診療に当たっています。
また、救急指定病院でもあるため、地域の中核病院として脳卒中（脳梗塞、脳出血、くも膜下出血）を中心に24時間受入体制を整えています。
最近ではクモ膜下出血の原因である未破裂脳動脈瘤に対して頭を切らずに行なう血管内治療を中心に、破裂予防としての治療数が多くなっています。
脳卒中の救急に迅速に対応できるよう、院内ではコメディカルスタッフとの勉強会を開催し、3ヶ月毎に救急隊との勉強会を開催し搬送された患者さまの入院後経過についてフィードバックを行い、情報共有することにしています。
一般市民に対しては医療講演等で定期的に啓蒙活動を行っています。
一次脳卒中センターに認定されています。

乳腺外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
090010xx010xxx	乳房の悪性腫瘍	17	8.41	10.30	11.76	68.18
090010xx011xxx	乳房の悪性腫瘍	-	-	-	-	-
090010xx02xxxx	乳房の悪性腫瘍	-	-	-	-	-
090010xx97x0xx	乳房の悪性腫瘍	-	-	-	-	-
090020xx97xxxx	乳房の良性腫瘍	-	-	-	-	-

原発性乳癌治療では、乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検を基本的に実施し、この場合の入院日数は、4日程度である。
早期にも関わらず非浸潤癌が乳房内に広く存在する時は、一期的乳房再建も併施している。
乳房再建法に関しては、拡大広背筋皮弁を積極的に使用し合併症を起こすことなく良好な整容性を得ている。
また悪性度の高い乳癌に関しては、術前化学療法を行った後に残存癌巣の評価と患者さん自身の希望に基づき様々な手術を行っている。
更に宗教的理由で手術を受けられ無い患者さんにも治療機会を提供している。

救急医学科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢	患者用パス
110310xx99xxxx	腎臓又は尿路の感染症	91	12.4	13.00	20.88	79.22
040081xx99x0xx	誤嚥性肺炎	70	17.89	20.51	48.57	81.7	誤嚥性肺炎
180010x0xxx0xx	敗血症（1歳以上）	64	18.64	19.20	29.69	80.13
180010x0xxx2xx	敗血症（1歳以上）	62	25.5	32.44	38.71	77.69
160100xx99x00x	頭蓋・頭蓋内損傷	37	5.97	8.18	13.51	51.41

超高齢化社会を反映して、高齢の内因性救急の割合が高くなっています。
軽症の初期救急から、集中治療が必要な重症症例まで、地域のニーズ全てに答えられるように努力しています。在院日数も、地域協力を基盤にして短縮につとめています。

初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

	初発					再発	病期分類基準（※）	版数
	Stage I	Stage II	Stage III	Stage IV	不明	再発	病期分類基準（※）	版数
胃癌	197	18	13	53	-	38	1	8
大腸癌	54	44	40	104	30	85	1	8
乳癌	16	11	-	-	-	-	1	8
肺癌	18	-	14	10	-	-	1	8
肝癌	-	-	-	-	-	26	1	8

※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約

2020年度に入院加療した癌患者様のうち、初発の5大癌（胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌）について病期分類別の延べ患者数を集計したものです。
その他部位も含めた詳細については、トップページから「がん拠点病院」＞「院内がん登録」のサイトにおいて、診断年ごとにまとめて掲載しています。
当院は大阪府がん診療拠点病院の指定を受け、検査、手術、放射線治療、化学療法などを含めた総合的ながん医療水準の向上に努めています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

	患者数	平均在院日数	平均年齢
軽症	4	7.5	52
中等症	50	13.1	76.34
重症	20	16	82.4
超重症	5	33	83.4
不明	0	0	0

成人の肺炎患者さんについて重症度別（A-DROPシステム）に平均在院日数、平均年齢を集計したものです。
当院では、中等症の患者さんが多く、中等症～超重症で70歳代、80歳代と年齢が高くなると呼吸不全の合併が多く、人工呼吸やNPPV,ネイザルハイフロー等の呼吸をサポートする機器の使用も必要となり入院期間も長くなります。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

発症日から	患者数	平均在院日数	平均年齢	転院率
3日以内	270	20.66	76.91	51.04
その他	18	21.78	75.06	4.51

脳卒中の中では脳梗塞の患者数が多く、特に急性期の脳梗塞に対してはt-PAによる血栓溶解療法、さらにそれに引き続き急性期血栓回収療法を積極的に行っています。
当院では早くから急性期脳梗塞治療に対する院内体制もほぼ整い、来院時から治療終了まで1.5から2時間以内で完結できるほどにまで時間短縮ができています。
今後は発症から病院に到着するまでの時間短縮をはかるべく、一般市民の啓発活動や救急隊との連携を充実させる必要があると考えています。
当施設は地域連携がうまくいっているため、回復期リハビリテーション病院への脳卒中患者の転院等も比較的スムーズに行われており、在院日数の軽減に努めています。
最近循環器領域で心房細動に対するアブレーション治療が行なわれるようになり、新規抗凝固薬の内服がなされるようになったため、心原性脳梗塞の発症が少なくなった印象を受けます。それに伴い、急性期の血栓回収療法の適応例が減少しつつあるのが特徴といえます。

診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード

消化器内科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢	患者用パス
K6532	内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍胃粘膜）	174	1.05	4.97	1.72	74.45	内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍胃粘膜）
K721-4	早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術	159	1.02	4.62	0.63	67.23	早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術
K688	内視鏡的胆道ステント留置術	146	0.88	11.03	7.53	79.1	内視鏡的胆道ステント留置術
K6871	内視鏡的乳頭切開術（乳頭括約筋切開のみ）	111	1.28	6.09	2.7	72.9	内視鏡的乳頭切開術（乳頭括約筋切開のみ）
K654	内視鏡的消化管止血術	99	0.19	7.9	11.11	72.56	内視鏡的消化管止血術

"消化器内科で最も多い手術は、胃・大腸・食道などの内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD)です。内視鏡で腫瘍の粘膜下に生理食塩水などを注入し、endo-knife（電気メス）を用いて腫瘍を剥離、一括切除する低侵襲の最先端治療です。以前から積極的に治療を行っており、電気メスの開発も行いました。
次いで総胆管結石など胆道疾患に対するERCP関連手術です。胆汁の流れを良くするため内視鏡を用いて胆道にチューブステントなどを留置します。その他ERCPにて胆道の出口を切開し、結石を除去する治療も行います。結石除去に有用な大口径バルーン法（EPLBD)や、胃の術後ERCPによる手術も行っています。

循環器内科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢	患者用パス
K616	四肢の血管拡張術・血栓除去術	295	1.07	4.65	3.73	74.27
K5493	経皮的冠動脈ステント留置術（その他）	138	0.74	1.56	0.72	71.49
K5492	経皮的冠動脈ステント留置術（不安定狭心症）	75	0.01	8.56	2.67	70
K5951	経皮的カテーテル心筋焼灼術（心房中隔穿刺、心外膜アプローチ）	65	2.51	3.94	3.08	70.66	経皮的カテーテル心筋焼灼術（心房中隔穿刺、心外膜アプローチ）.pdf
K555-22	経カテーテル大動脈弁置換術（経皮的大動脈弁置換術）	53	5.09	10.06	9.43	83.79

今年度は下肢閉塞性動脈硬化症に対する経皮的四肢血管拡張術・ステント留置術、虚血性心疾患・急性冠症候群に対する経皮的冠動脈ステント留置術・形成術、　心房細動に対する心房中隔穿刺　経皮的カテーテル心筋焼灼術、　重症大動脈弁狭窄に対する経皮的大動脈弁置換術（TAVI)が多くなっています。

泌尿器科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢	患者用パス
K8036ｲ	膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（電解質溶液利用）	80	1.4	6.09	1.25	73.78	膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（電解質溶液利用）
K843-4	腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術（内視鏡手術用支援機器を用いる）	50	1.1	10.76	0	70.98	腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術（内視鏡手術用支援機器を用いる）
K783-2	経尿道的尿管ステント留置術	20	5	12.1	5	69.6
K7981	膀胱結石摘出術（経尿道的手術）	12	3.83	4.58	16.67	75.58
K773-2	腹腔鏡下腎（尿管）悪性腫瘍手術	10	2.8	13	10	69.4	腹腔鏡下腎（尿管）悪性腫瘍手術

膀胱癌の内視鏡的手術、前立腺癌のロボット支援手術が増えてきている。腎癌も初期の症例ではロボット支援手術を行っている。

外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢	患者用パス
K672-2	腹腔鏡下胆嚢摘出術	83	1.66	4.94	0	63.64	腹腔鏡下胆嚢摘出術
K6111	抗悪性腫瘍剤腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置（開腹）	80	0.19	2.88	2.5	58.51
K634	腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側）	63	0.19	1.13	0	65.92	腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側）
K718-21	腹腔鏡下虫垂切除術（虫垂周囲膿瘍を伴わないもの）	60	0.37	3.15	0	38.8	腹腔鏡下虫垂切除術（虫垂周囲膿瘍を伴わないもの）
K6182	中心静脈注射用植込型カテーテル設置（頭頸部その他）	59	1.9	5.95	3.39	60.59

下肢静脈瘤の手術も多く行っていますがほとんどが日帰り手術となっています。
鼠径ヘルニアも多くが腹腔鏡下手術で行なわれていますが、ほとんどが翌日退院となっています。

心臓血管外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢	患者用パス
K5522	冠動脈、大動脈バイパス移植術（２吻合以上）	61	3.59	20.33	16.39	69.82
K5612ﾛ	ステントグラフト内挿術（腹部大動脈）	56	3.46	13.93	7.14	77.73	ステントグラフト内挿術（腹部大動脈）
K5612ｲ	ステントグラフト内挿術（胸部大動脈）	53	5.11	19.6	9.43	70.79
K5601ﾆ	大動脈瘤切除術（上行）（その他）	28	1.57	38.25	35.71	73.25
K5551	弁置換術（１弁）	23	5.39	26.3	21.74	74.52

①大動脈瘤に対するステントグラフト
②弁形成術
③カテーテル大動脈弁置換術が増加
④小切開心臓手術（ＭＩＣＳ）への取り組みと症例数増加
①～④の低侵襲手術中心に手術件数が多くなっている（５００例以上で推移）

整形外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢	患者用パス
K0461	骨折観血的手術（大腿）	112	1.81	18.96	50	79.16	骨折観血的手術（大腿）
K0462	骨折観血的手術（下腿）	80	0.91	5.3	7.5	61.49
K0821	人工関節置換術（膝）	55	1.2	21.31	18.18	75.15	人工関節置換術（膝）
K0811	人工骨頭挿入術（股）	48	1.96	20.4	60.42	81.67
K0483	骨内異物（挿入物を含む）除去術（前腕）	28	0.39	2.04	0	42.96	骨内異物（挿入術含む）除去術（前腕）

大腿骨近位部骨折だけでなく、全ての四肢外傷に対応しています。
北泉州地区での四肢外傷輪番病院も担当しており、開放骨折に対して創外固定を含めた緊急手術も可能となっています。
上腕骨近位部骨折でも転位が大きく保存的治療では変形や機能障害が予想される症例に対してはリスク評価後、積極的に手術療法を行っております。
大腿骨近位部骨折では、受傷後できるだけ早期に骨接合術、人工骨頭置換術を行っています。

形成外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K0051	皮膚、皮下腫瘍摘出術（露出部）（長径２ｃｍ未満）	14	0	0	0	64.79
K0061	皮膚、皮下腫瘍摘出術（露出部以外）（長径３ｃｍ未満）	10	0	0	0	40.2
K0062	皮膚、皮下腫瘍摘出術（露出部以外）（長径３ｃｍ以上６ｃｍ未満）	-	-	-	-	-
K0052	皮膚、皮下腫瘍摘出術（露出部）（長径２ｃｍ以上４ｃｍ未満）	-	-	-	-	-
K2191	眼瞼下垂症手術（眼瞼挙筋前転法）	-	-	-	-	-

リンパ節腫瘍や皮膚腫瘍の治療が多くを占め、切除による手術での治療となりますが、日帰り手術が可能で平均在院日数も少なくなっております。
続いて眼瞼下垂症手術も行っておりますが、こちらも短い在院日数での治療となっております。

脳神経外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢	患者用パス
K1781	脳血管内手術（１箇所）	43	1.49	16.14	20.93	67.19	脳血管内手術（1箇所）
K609-2	経皮的頸動脈ステント留置術	39	2.03	8.08	10.26	72.21	経皮的頸動脈ステント留置術
K164-2	慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術	37	1.35	14.19	24.32	80.32	慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術
K178-2	経皮的脳血管形成術	18	7	8.5	33.33	67.5
K178-4	経皮的脳血栓回収術	15	0	16.6	53.33	73.73

脳血管内治療専門医4名が常勤しているため、脳血管内治療を第一とした治療を優先しており、病院としても特色を出すように心掛けています。具体的には血管内治療として脳動脈瘤塞栓術、脳梗塞急性期の血栓回収療法、頸動脈ステント留置術を中心に行っています。脳への侵襲が少ないため、高齢者にも適応でき、在院の軽減に貢献できているものと思われます。
その他従来からの開頭ネッククリッピング、バイパス術も行っています。特に超急性期血栓回収療法に関しては治癒までの時間短縮をはかるべく、救急部、看護部、放射線科と密に連携を行い、勉強会等で院内体制を整えています。最近では救急隊との勉強会や市民啓発活動を積極的に行い、発症から受診までの時間短縮を目指しています。
そのほか外傷疾患である慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術や顔面痙攣や三叉神経痛に対する機能的手術も行なっています。

救急医学科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢	患者用パス
K386	気管切開術	37	14.14	20.3	72.97	75.89
K0461	骨折観血的手術（大腿）	18	3.28	24.83	61.11	80.39	骨折観血的手術（大腿）
K5493	経皮的冠動脈ステント留置術（その他）	11	15.55	9.45	18.18	74.91
K654	内視鏡的消化管止血術	11	9.18	46.73	36.36	70.64	内視鏡的消化管止血術
K6151	血管塞栓術（頭部、胸腔、腹腔内血管等）（止血術）	10	1.4	12.9	40	67

数日以上の人工呼吸管理が必要な急性呼吸器疾患や、遷延する意識障害などの症例に対し、気管切開術の施行頻度が増えています。
重症外傷に対する血管塞栓術も施行されています。

その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード

DPC	傷病名	入院契機	症例数	発生率
130100	播種性血管内凝固症候群	同一	10	0.11
130100	播種性血管内凝固症候群	異なる	19	0.21
180010	敗血症	同一	111	1.22
180010	敗血症	異なる	116	1.28
180035	その他の真菌感染症	同一	0	0
180035	その他の真菌感染症	異なる	1	0.01
180040	手術・処置等の合併症	同一	65	0.72
180040	手術・処置等の合併症	異なる	3	0.03

定義：敗血症(MCD6:180010)、播種性血管内凝固(MDC6:130100)、手術・術後の合併症(MDC6:180040)、その他の真菌症(MDC6:180035)について、入院契機病名(MDC6)の同一性の有無を区別して患者数と発症率を表示。

解説：播種性血管内凝固症候群(ＤＩＣ)は、抗血栓症性の制御能が十分でなくなり、全身の細小血管内で微小血栓が多発して臓器不全、出血傾向のみられる予後不良の病気です。生体内の抗血栓性の制御をはるかに超える大量の凝固促進物質(組織因子)が血管内に流入(出現)することがＤＩＣの原因と考えられています。
敗血症は、肺炎や腎盂腎炎（じんうじんえん）など生体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす症候群です。血液中に病原体が入り込む原因の感染巣としては、腎盂腎炎といった尿路感染症、肺炎などの呼吸器感染症のほか、胆嚢炎（たんのうえん）・胆管炎、腹膜炎、褥瘡（じょくそう）感染などがあります。
真菌感染症とは真菌がヒトや動物の体の障壁を越えて定着することに起因する感染症です。上記DICの病態を作り出す一因として重要です。
手術・処置等の合併症とは手術、処置等の後、それらがもとになって起こることがある病気を指します。医療で用いる「合併症」という言葉には、病気が原因となって起こる別の病気と、手術や処置等に引き続いて起こる病気、また、手術や処置で発生した予期しない病態など、様々な意味を持っています。

更新履歴

2021.09.29: 令和2年度病院情報を公開しました

令和2年度 岸和田徳洲会病院 病院指標

令和2年度岸和田徳洲会病院病院指標